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膵炎とは

膵炎とは

「膵炎」は、膵臓の炎症を起こす疾患で、これは通常、膵臓自身が生成する消化液による自己消化という現象により生じます。通常、膵液の消化酵素は、膵臓内部で働かないように防御機構が存在します。

しかしながら、この防御機構が何らかの原因で機能しなくなると、膵液による自己消化が発生し、膵臓の組織が炎症を起こします。これを膵炎と呼びますが、この病気には「急性膵炎」と「慢性膵炎」という二つの形態が存在します。

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膵臓とは

  • 膵臓は、おおよそ20cmの長さを持つトウモロコシのような細長い臓器で、胃の背面、背骨の前部に位置し、体の最深部にある内臓です。その周囲には十二指腸、小腸、大腸、肝臓などがあります。
  • 膵臓は身体の中にある糖分を分解するためのホルモンである「インスリン」を作ったり、糖分を新しく生成するためのホルモンである「グルカゴン」を生成したりしています。また、それ以外にも消化に関わる膵液を生成したり、肝臓で生成された胆汁が膵臓のなかを通り十二指腸に流れ、消化の補助を行います。
  • このように、膵臓は私たちの体にとって重要な役割を果たしており、その為、膵炎という疾患を早期に捉えることは、健康の維持において欠かせない要素となります。

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膵炎の症状について

急性膵炎

急性膵炎は年間約35,000人が発症する病気で、男性の発症率は女性の約2倍とされています。

この病気の典型的な症状は、みぞおちや上腹部の激痛から始まり、腹部全体へと広がることです。この痛みは体の姿勢によって変わり、仰向けになると痛みが増し、横向きや膝を抱えると痛みが和らぎます。

また、膵臓の腫れや下腹部の腫瘍、吐き気、嘔吐、背部の痛み、黄疸(肌や眼白が黄色くなる症状)なども見られます。病状が進行すると、膵臓から出血や壊死(細胞や組織の死滅)が起こり、その結果、膵臓から様々な有害物質が血液に混入し、心臓、肺、肝臓、腎臓などの他の臓器にダメージを与える可能性があります。

慢性膵炎

慢性膵炎は10年以上にわたってゆっくりと進行する疾患で、膵臓の組織が徐々に破壊され、硬化(繊維化)したり、カルシウムの沈着(石灰化)が起こり、その結果、膵臓の機能が低下し、糖尿病などの合併症を引き起こす可能性があります。

慢性膵炎の発症率は近年増加しており、男性の発症率は女性の約3倍とされています。慢性膵炎の症状は多岐にわたりますが、飲酒や過食の後に、腹部や背中に痛みが発生することがあります。膵臓の正常な組織が減少し、機能が低下すると、脂肪の消化・吸収がうまく行われないため、脂肪便(脂肪が多く含まれた便)が出ることがあります。

さらに、膵臓が生成するインスリンの分泌も減少し、糖尿病を発症することも多いです。また、慢性膵炎は膵癌へと進行することが多いため、診断された方は定期的な治療と検診が必要です。

膵は膵臓の炎症を引き起こす病気で、その進行や影響は個々の状況によります。そして、その影響は膵臓だけに留まらず、他の臓器や全体的な健康にも影響を及ぼす可能性があります。急性膵炎や慢性膵炎についての理解は、症状の早期発見や適切な対処法を見つけるために重要です。

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岡山市東区東平島の『大上クリニック』は、呼吸器疾患、生活習慣病、循環器疾患、消化器疾患、老年疾患、甲状腺疾患、感染症を扱うクリニックです。ご自身やご家族の身体や健康で少しでも不安なことがありましたら、お気軽にご受診ください。

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